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東京地方裁判所 平成5年(ワ)23234号 判決 1996年3月26日

原告

浅田マサ

被告

判治直人

ほか一名

主文

一  被告判治直人は、原告に対し金九一二万八五五一円及びこれに対する平成五年三月一七日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  原告の被告判治裕子に対する請求及び被告判治直人に対するその余の請求をいずれも棄却する。

三  訴訟費用のうち、被告判治裕子に生じたものは原告の負担とし、その余のものは、これを二分し、その一を原告の、その余を被告判治直人の各負担とする。

四  この判決は、第一項に限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

第一原告の請求

一  被告らは、連帯して、原告に対し金一九二七万三六八五円及び内金一八二七万三六八五円に対する平成五年三月一七日から支払済みまで年五分の割合による金員を支払え。

二  訴訟費用の被告らの負担及び仮執行宣言

第二事案の概要

一  本件は、信号により交通整理のされた交差点において右折しようとした普通乗用車が、横断歩道上を自転車に乗つて走行中の女性と衝突する事故があり、同女性が、このために負傷し、その後、自殺したことから、その相続人が普通乗用車の運転者及びその同乗者を相手に死亡による損害賠償を求めた事案である。

本件の主たる争点は、本件事故と被害者の自殺との間の相当因果関係の有無である。

二  争いのない事実等

1  本件交通事故の発生

事故の日時 平成五年三月一七日午後三時三五分ころ

事故の場所 東京都渋谷区神宮前四丁目二番一一号先交差点

加害者 被告判治直人(以下「被告直人」という。加害車両を運転)

加害車両 普通乗用自動車(品川三三み一八三三)

被害者 浅田洋子(足踏自転車に乗車)

事故の態様 被告直人が加害車両を運転して前記交差点で右折しようとしたところ、自転車に乗つて横断歩道を左側から右側に通行中の被害者と衝突し、被害者は転倒した。

2  事故後の状況

被害者は、腰部打撲、右足打撲、右腓骨骨折等の傷害を受け、その後、平成五年七月六日、自殺した。

3  責任原因

被告直人は、被告車両の保有者であり、同車両を運転していた。

4  相続

原告は、被害者の唯一の相続人である(甲六により認める。)。

三  本件の争点

1  被告判治裕子の責任

(一) 原告

本件事故は、被告判治裕子(以下「被告裕子」という。)が加害車両の助手席に乗つて後部座席にいた被告らの子を含む家族の談笑中に生じたところ、助手席にいた同被告としては、妻として慣習上強度の安全運転協力義務があるのに、漫然と談話した過失により本件事故を惹起したから、共同不法行為責任を免れない。

(二) 被告ら

被告裕子は、加害車両の後部座席左側に座つていたものであり、被告直人と談話していたことは否認する。仮に、運転者と談笑したとしても、原告の主張は、それ自体失当である。

2  本件事故と被害者の自殺との因果関係

(一) 原告

被害者は、本件事故による足の骨折等のため、足腰の激痛、背中・首の痛み及び頭痛に耐えられず、また、病院に通院しても症状が一向に良くならず、将来を悲観して自殺したものであり、本件事故と自殺との間に因果関係がある。

(二) 被告ら

被害者は、本件事故による傷害の治癒後、加害者側と示談交渉をする前に自殺した。また、本件事故は、事故自体が軽微であり、かつ、結果も腓骨骨折という軽微なものであり、このような軽微な事故及び傷害が反応性鬱病の引き金となつたとするならば、被害者自身がに潜在的な病態が既存していたというべきであり、それが発現したに過ぎないから、本件事故との相当因果関係を否認する。仮に、相当因果関係があつたとしても、本件事故の持つ意義は極小であり、過失相殺の類推適用により九割の減額をすべきである。

3  損害額

(一) 原告

(1) 治療費 三七万三一九五円

都立広尾病院分四万一九五〇円、日本赤十字社医療センター分七万六〇一〇円、島脳神経整形外科分七万一五五〇円、エグザス青山治療院・接骨院分七万一〇〇〇円、中村・聖泉鍼灸院分六万円、岩田鍼灸整骨院一万円、小野クリニツク分二六八五円、これらへの通院交通費四万円の合計である。

(2) 休業損害 九九万〇〇八〇円

被害者は、実家の八百屋の手伝い及び家事手伝いをしていたが、本件事故により前記痛み等のため、これらの手伝いを休んだ。日額八八四〇円とした一一二日分である。

(3) 慰謝料 一〇〇〇万円

被害者の傷害慰謝料及び被害者が自殺したことによる原告自身の慰謝料を合計すると一〇〇〇万円を下らない。

(4) 被害者の葬儀費用 六一〇万五八四八円

(5) 自転車の損壊による損害 七万二八〇〇円

(6) 弁護士費用 二〇〇万円

着手金一〇〇万円と謝金一〇〇万円の合計である。

右損害額の合計額は一九五四万一九二三円となるところ、被告直人は二六万八二三八円を支払つたから、同金額を控除した一九二七万三六八五円と、このうち弁護士謝金一〇〇万円を除く一八二七万三六八五円についての本件事故日からの年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める。

(二) 被告ら

原告の主張をいずれも争う。ただし、治療費のうち、都立広尾病院分四万一九五〇円、日本赤十字社医療センター分七万六〇一〇円、島脳神経整形外科分七万一五五〇円、エグザス青山治療院・接骨院分七万一〇〇〇円は認める。

4  損害の填補

被告らは、被害者に対し、金四二万五九八八円(うち金四〇万四〇七八円は治療費)を支払つたと主張する。

第三争点に対する判断

一  被告裕子の責任について

本件全記録を精査するも、原告の主張するように被告裕子が加害車両の助手席に乗つて被告直人と談笑していたことを認めるに足りる証拠はない。仮に、被告裕子が加害車両の助手席に乗り、家族談笑中に本件事故が生じたとしても、基本的には運転者が事故防止の注意義務を負つていることから、助手席に同乗している者が、運転者に運転方法を強制的に指示したり、運転行為の邪魔をする目的で運転者に話し掛ける等、運転者の運転行為に支障を来すことを認識しながら、敢えて当該行為に出たのであればともかく、通常の運転者に対する談笑程度では、運転者がそれに答えるかどうかを決定することができるから、同乗者の談笑と事故との間に相当因果関係があるとは認められないものと解すべきところ、被告裕子が右のような目的で被告直人と談笑していたこと等特別の事情を認めるに足りる証拠はなく、原告の主張は失当である。

二  本件事故と被害者の自殺との因果関係

1  まず、被害者の治療の経過等を検討すると、甲一ないし四の各1、2、九、一〇、一二ないし一五(枝番を含む)、一七ないし二一(枝番を含む)、三一、三二、乙二の1ないし7、原告本人によれば次の事実が認められる。

(1) 被害者は、本件事故当日の平成五年三月一七日に、自転車に乗つて対面青信号に従つて横断歩道を通行中、右側前方から右折してきた加害車両と衝突して転倒し、救急車で運搬されて都立広尾病院で受診した。被害者は腰痛と右下肢から足にかけての痛みを訴えたが、腰部を中心にX線撮影が行われた。同月二二日にも右下肢が火花が走るように痛いと訴えていたが、腰部を中心に治療が行われた。

(2) しかし、痛みが継続することがら被害者は四月七日に日本赤十字社医療センターの診断を受け、右腓骨が骨折していることが判明した。同病院には、右下腿打撲、右腓骨骨折、腰椎捻挫、頸椎捻挫の傷病名で六月一六日まで通院した(実通院日数六日)。その間の四月一五日に都立広尾病院に行き、右腓骨骨折していることが判明したことを訴え、X線撮影の結果、右事実が確認された。同病院には同日まで通院した(実通院日数七日)。日本赤十字社医療センターの通院は継続して行われ、鎮痛剤の投与、腰痛体操なども実施したが、五月一一日には腰痛のために起きる意思があつても起きられずに寝ており、その翌日も頭重感等が著明であつた。六月一日には頭痛、吐き気があり、同月一六日の診察においても、日によつて異なるが同様の症状があると訴えた。頭痛、頸部痛が残存し、自宅では殆ど横になつており、起きようと努力しても無理であつた。

(3) 被害者は、六月中旬ころから頭痛や激しい肩の凝りに悩まされ、六月一一日に小野クリニツクを訪れた。初診時に不定愁訴が多くECLテストを施行した結果、神経症パターンに近いものであり、外傷性頸肩腕症候群、外傷性腰痛症とともに不安神経症疑の傷病名が付され、自律神経安定剤等の投薬療法と高周波療法等が採られた。被害者は、同月二三日からも寝たままであり、食欲不振にも陥つた。腰痛のため、左側を下にして寝ており、仰向けや右側を下にしての睡眠はできず、寝返りを打つこともできなかつた。同クリニツクには、同月三〇日まで合計四日間通院した。

六月二八日に、島脳神経整形外科に頭痛を訴えて通院したが、脳波、CTには異常は認められなかつた。七月一日には、精神安定剤が手放せなくなるのかという不安も出現し、同月四日には、前記各病院の治療や、後記認定のように整骨院等での施術にもかかわらず、良好とならないことから、自分の身体はどうなるのか、先が見えないという不安を抱いた。そして、被害者は、七月六日、洗濯用ビニール紐により縊死した。

(4) なお、被害者は、五月二四日に岩田鍼灸整骨院で施術を受け、また、翌日の二五日から七月四日までの間に合計一〇日間、中村・聖泉鍼灸院に通院した。初診時は、右腓骨骨折による腫れ、痛み、右腰打撲による痛み、セキをする時の仙腸関節部の痛み、頭から首にかけての重苦しさがあり、パルス治療等を行つたが、最終日の七月四日も打撲部の痛みがとれない状況であつた。さらに、六月一七日から七月五日までは、エグザス青山治療院・接骨院に腰部捻挫、頸部捻挫、左腓骨骨折の傷病名で通院したところ、当初、頭痛、倦怠感及び骨折患部の疼痛を訴えており、結局、頭痛は取れなかつた。

以上の事実が認められる。

2  甲五、六、一七の29ないし86、二二の1、2、二三の1ないし9、二八、鑑定人浅井邦彦の鑑定結果、原告本人によれば、

(1) 被害者は、原告の三女であり、母である原告の面倒を見るために独身を通し、短大を卒業後、母と同居しながら、実家で八百屋の手伝いをしていた。本件事故前は、運動が好きで、元気であつた。昭和五八年にバイクに乗つて事故を起こし、左膝関節の手術をしたが、その後回復していた。性格は、朗らか、几帳面であり、回りを気にする方で、本件事故後も、原告に心配をかけないようにと原告や兄弟姉妹には病状について詳しくは話していなかつた。なお、被害者は、神経症、鬱病などの精神疾患はなく、その三親等内には精神病などの遺伝的負因はない。

(2) 六月中旬に保険会社からもう治つているはずだとして示談書を提出するように言われたため、被害者は、原告代理人方に相談に行き、その時点では、示談に応じる必要はないと説明を受けた。

(3) 被害者の自殺後に発見された本人の自筆の文書には、母、兄等への詫び及が感謝と、中村・聖泉鍼灸院への断りの連絡依頼や電話局への電話をはずすための連絡依頼が記載されている。

(4) 執着性気質(仕事熱心、正直タイプ)あるいはメランコリー親和型性格(正確、綿密、他人との衝突を避ける傾向)がある人の場合には、日常生活の秩序が何らかの原因で大幅に乱されると、挫折感が強くなつて将来の展望がなくなり、状況変化が誘因となつて、鬱病が発病しやすくなる。そして、精神病症状を伴わない鬱病の場合は自殺の危険は大きく、鬱病患者の自殺率は一般人口に比して少なく見積もつても数十倍高いことが報告されている。

(5) 鑑定人は、被害者の前示朗らか、几帳面、回りを気にする等の性格から、被害者が執着性気質あるいはメランコリー親和型性格に該当すると判断している。

以上の事実が認められる。

3  右各認定事実に基づき検討すると、被害者は、受傷後の治療にもかかわらず、五月中旬ころから腰痛や頭重感が増悪して、気力の低下が見られるようになり、病院以外に整骨院等で施術を受けても一向に回復せず、六月には、これに加えて、頭痛、吐き気、頸部痛が残存することとなり、自宅では殆ど横になつていたのである。そして、食欲不振、気分の落ち込み、将来に対する悲観的な見方が増大し、自信の低下、不安感の増大、喜びの喪失といつた鬱症状が次第に増大していき、七月一日には、精神安定剤が手放せなくなるのかという不安も出現し、同月四日には、先が見えないという不安を抱き、同月六日に、死亡後の措置を依頼した上で、自殺している。

被害者は、元来、朗らか、几帳面、回りを気にする等の性格を有しており、電話局等への死亡後の措置を依頼する等の几帳面さと周囲への強い気配りも参酌すると、鑑定人の意見どおり、被害者は、執着性気質あるいはメランコリー親和型性格に該当するものと認められる。このような性格の者は、状況変化が誘因となつて、鬱病が発病しやすいものであるところ、被害者は、右認定のとおり自信の低下等の鬱症状が次第に増大していつたのであり、このことに島脳神経整形外科での脳波検査の結果異常がなかつたことを総合すれば、被害者は、自殺をする前には、反応性鬱病となつていたものと判断される(鑑定人の鑑定結果も同一の結論である。)。なお、小野クリニツクでのECLテストでは神経症パターンに近い結果となつているが、鑑定人の鑑定結果によれば、被害者の右テストの結果は、典型的な神経症パターンではなく、WHOによる国際疾病分類の不安神経症の診断基準を満たしていないことが認められ、右判断を左右するものではない。

次に、本件事故が被告側の一方的過失によるものであること、被害者の事故後の身体症状は、複数の医療機関や接骨院等を経ても経過が思わしくなく、却つて増悪したこと、右身体の状況の増悪に比例するように、いわば一直線状に鬱症状が増大していつたこと、自殺二日前には被害者に将来に対する絶望感が見られること、本件全証拠によるも他に被害者が鬱病となる誘因が認められないこと(なお、鑑定人は、事故補償の交渉経過がスムーズでなかつたことをその原因の一つに加えているが、前認定のとおり、補償交渉は未だ行われていない。)に鑑みれば、本件事故及び事故後の心身の不調が右反応性鬱病の誘因となつたものと認めるのが相当である。そして、鬱病患者の自殺率は一般人口に比して少なく見積もつても数十倍高いことからすれば、被害者は、本件事故及び事故後の心身の不調が誘因となつて反応性鬱病となり、その結果自殺したもの、すなわち、本件事故と被害者の自殺との間には相当因果関係があると認めるのが相当である。

4  もつとも、自殺には、通常本人の自由意思が関与するものであり、前認定の被害者の受傷の程度は必ずしも重大なものであつたとは言えず、その程度等に照らせば、被害者が完全に自由意思を失つた状態で自殺したものとは認め難いから、自殺によつて生じた損害部分については、これを全額被告らに負担させるのは、損害の公平な分担という損害賠償の理念に照らして相当ではない。被害者の受傷の程度、本件全証拠によるも被害者が本件事故が原因となつて重篤な精神病となつたものとは認め難いことに鑑みれば、被害者の自殺には、メランコリー親和型性格等同人の心因的要因も寄与したものとして、民法七二二条二項を類推適用して、七割の損害額を減額するのが相当である。

三  損害額について

1  治療関係費 三六万二六五五円

被害者が都立広尾病院に四万一九五〇円、日本赤十字社医療センターに七万六〇一〇円、島脳神経整形外科に七万一五五〇円、エグザス青山治療院・接骨院に七万一〇〇〇円を要したことは、当事者間に争いがない。

甲二〇の3、二一の2、二五の1、2、二八、原告本人によれば、被害者は、岩田鍼灸整骨院の施術のため一万円、中村・聖泉鍼灸院での施術のために六万円、小野クリニツクの治療費に二六八五円を要したことが認められる。また、甲一一の1ないし3、乙一によれば、これらへの通院のための交通費として二万九四六〇円を要したことが認められる。

2  休業損害 九六万八二〇一円

前認定のとおり、本件事故当時、被害者は、実家の八百屋の手伝い及び家事手伝いをしていたものであるところ、弁論の全趣旨によれば、被害者は、本件事故により、各種医療機関への通院や前記痛み等のため、本件事故後自殺するまでの一一二日間、これらの手伝いを休んだことが認められる。

右休業による損害を算定するに当たつては、平成五年度の賃金センサス女子全学歴全年齢の年収である三一五万五三〇〇円を基礎とするのが相当であり、被害者の休業損害を算定すると、次の計算どおり、右金額となる。

315万5300円÷365×112=96万8201円

3  慰謝料 六八〇万円

前示傷害の程度、通院日数等に鑑み、被害者の傷害による慰謝料としては、八〇万円が相当である。

また、被害者が死亡したことによる慰謝料としては、被害者の家族上の立場、その他本件に顕れた諸般の事情を考慮すると、二〇〇〇万円が相当であるところ、前説示のとおり死亡による損害はその七割を減じるべきであるから、六〇〇万円となる。

4  被害者の葬儀費用 四五万円

甲二六、二八、原告本人によれば、被害者の葬儀のため、少なくとも六一〇万五八四八円を要したことが認められ、このうち一五〇万円を本件事故と相当因果関係のある損害と認めるのが相当である。そして、死亡による損害はその七割を減じるべきであるから、四五万円となる。

5  自転車の損壊による損害 七万二八〇〇円

甲一六、原告本人によれば、被害者が本件事故当時乗つていた自転車は、七万二八〇〇円で購入したことが認められる。

6  以上の合計は、八六五万三六五六円である。

四  損害の填補

甲二九、乙一によれば、被告らは、被害者に対し、金四二万五九八八円(うち金四〇万四〇七八円は治療費として、残額二万一九一〇円は交通費として)を支払つたことが認められる。ところで、甲一一の3によれば、被害者は、原告が本訴において請求し、かつ、前示のとおり認容した治療費合計三三万三一九五円以外にも湿布等の治療関係費を相当支出していることが認められ、右治療費填補分は、原告が本件訴訟において請求していない、これらに要した費用にも充てられたものと推認され、本件で填補すべき治療費分は、右三三万三一九五円とするのが相当である。右交通費填補分も控除すると、残額は八二九万八五五一円となる。

五  弁護士費用 八三万円

本件の事案の内容、審理経過及び認容額等の諸事情に鑑み、原告らの本件訴訟追行に要した弁護士費用は、八三万円をもつて相当と認める。

第四結論

よつて、原告の本件請求は、被告直人に対し、九一二万八五五一円及びこれに対する本件事故の日である平成五年三月一七日から支払済みまで民法所定の年五分の割合による遅延損害金の支払いを求める限度で理由があるが、同被告に対するその余の請求及び被告裕子に対する請求は、理由がないからいずれも棄却すべきである。

(裁判官 南敏文)

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